開発予定現場にて・・・

joe-yan2008-01-13

今日は鎌倉山の開発現場に樹木医として呼ばれて行きました。
ここは鎌倉山でも一番高い場所らしく、相模湾が見えます。大島も見えたんですが写真では良く分からないですね。


ここに宅地を作る為の説明会での住民対応として呼ばれたワケなんです。
樹種や移植の可否や能書きなどなど、樹木に関して聞かれたらアタシの出番ってワケです。
現存する樹木は、開発に係わる範囲のモノは全て伐採予定なワケです。そこで、近隣住民さんが欲しいものが有るか無いか立ち会うという内容です。
中には立派な樹木もあり、正直全て伐採してしまうには惜しい緑地であります。
で、その伐採担当業者がウチの会社であり、アタシが監督する事になっているワケなんです。
一昨年、樹木調査でこの地に入った事があるのですが、
「ここの伐採の担当にはなりたくないなぁ・・。」
と思ったのですが、そーゆーのに限って来てしまうモノなんですね。
また樹木に対して負い目を作ってしまう事になります。
樹木医的には”NG”ですかね。はぁ・・・。


近隣のオジサマ、オバサマとここの樹木を見上げながらおしゃべりなんかをしていると改めて思うんですが、樹木に対する思いと言うのは人それぞれでして、こーゆー場で意見が割れない事は無いと言って良いですね。落ち葉や日当たりで樹木に関して否定的な考えを持っている人はかなり多いです。分かりますけどね。分かりますけども、その落ち葉が頑張ってくれていたからみんな生きていけてるんですよね。
そーゆー事は深く考えられる事も無く人間の都合で樹木は切られてしまうんですね。
発芽から朽ち果てるまで、一歩として動かず、一言として口をきかず、全てを受け入れてくれる樹木に対して人間は恩恵を受けるだけで、その存在の偉大さを理解出来ないでいます。
私は樹木を守っていくにはあまりにも無力です。
守りたいと思う人と樹木の間に入って、微々たる手助けをする位しか出来ません。
そういった思いのある人の助けの声をを受け入れる体制が必要だと思いました。
何かを始めなければならない気がした寒い昼下がりでした。