街路樹

joe-yan2008-01-26

毎年どこかの地域の街路樹や公園の樹木の維持管理を請け負います。
今年度も例外無く街路樹を受け持っています。
入社以来、途切れる事無くこの「委託業務」は担当してますね。


で、今日からある路線のイチョウの剪定作業を開始したのです。
落葉が完全に終わっているこの時期に剪定出来るのは良い事です。
まぁ、普通は「あたりまえの時期じゃろうがぃ」と思う事でしょう。
でも、街路樹等は落葉前に冬季剪定をさせられる事も多いんです。


理由は、周辺住民による「陳情」です。
落葉が庭に落ちたり、雨樋に溜まったり、滑って転ぶとか色々な理由を述べられて、役所がウチみたいな業者に早急な対応を促す「指示書」を出すわけです。


中には、
「紅葉は楽しみたいけど落葉はイヤ。適切なタイミングで剪定してね」
みたいな陳情をするお方もいらっしゃったりするワケですよ。
役所の担当も樹木に関してのプロ意識なんてモノは殆ど無いんで、
「いい加減にせいよ。アホかおのれは!」
なんてぇセリフは口が裂けても言いませんし、時期を間違えた剪定が樹にどんな影響を及ぼすかなんてぇ事を考える事も殆ど無いんですね。
「木の事はワカラナイからお任せするよ」
と、年度初めにまず言われた事もあります。
恥ずかしげも無く、よくもこんなセリフを言えたものです。


この時期に何故か新芽を吹いている落葉樹の街路樹はありませんか?
ソイツは葉が緑の内に冬季剪定を施された樹木です。
休眠期に蓄積しておくべきパワーを新芽の展開の為に放出させられてしまっています。
その新芽も、寒風や霜にヤラれて次年度の秋まで継続して生産活動するとは思えません。


このように人間がヌルイ生活をしていく為に街路樹はイヂメラレテいます。
それでも夏に日陰を提供し、酸素を供給してくれている彼らって
イヂラシクないですか?
カワイクないですか?
カワイソウではないですか?


人間をはじめ、全ての動物は植物の生産する酸素に依存してしか生きていけない事を考えるべきです。
「そんなの知ってるよ」
と簡単に言ってしまう人、知識があるのと理解しているのとは意味が違います。


理解を推進させる立場にある気がする樹木医は、実際何が出来るでしょうね?
一般の人達に聞く耳を持ってもらうのにはどうすればいいんでしょうね?
今後長く持ち続けるであろう問題ですね。